2005年04月09日

ナチュクール!

マルハナバチの販売元であるアリスタライフサイエンスから巣箱保冷機の案内がきました。

名前が

「ナチュクール」



夏場の高温になるハウス内でもマルハナの巣箱の環境を涼しくしてくれるそうです。

パンフレットはこちら
natucool01.jpgnatucool02.jpg

先行していた他社の保冷箱のフォロワーですけど、気をつけたいのが酷暑の時期に巣箱が涼しくてもハチが飛ぶのか?ということです。


マルハナバチは幼虫を育てるためにトマトなどの花粉を集めます。
トマトが花粉を作るのには花芽が形成される時期の環境が重要で、例えば開花の1〜2週間前に30℃を超えるような環境に置かれると花粉ができにくいといわれています。

いくら巣箱が涼しくていい環境であっても、肝心のトマトの花に花粉がないとマルハナバチはトマトには飛んでくれません。


この辺りを理解しないで保冷箱を使うと、ハチは元気でいるけれど肝心の受粉が全く行われなかったということになりかねません。


ナチュクールをお使いになるときは、ハウス内の環境も整えないとダメということですね。




写真は受粉活動をする在来種のクロマルハナバチ
クロマルハナバチ
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2005年04月06日

暖かい一日になりました

今日は天敵を使って害虫を防除しているイチゴ農家の畑を回ってきました。
日中の気温も25℃くらいあったでしょうか?温室の中は汗ばむくらいでした。

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桜も咲き始めてます。


暑くなってくると温室内にもいろいろな害虫が発生してきます。

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イチゴの葉裏についたオンシツコナジラミ。

コナジラミは多発すると葉が「すす病」になります。
多発したときの有効な薬剤が少ないので、早期防除や施設内に侵入させないことが重要です。


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温室周りや中に雑草が生えている圃場が多いのですが、これは害虫の発生を促す大きな原因になります。

アメリカフウロが温室の中に生えていました。

america_fulo.jpg


アメリカフウロの葉裏をみると・・・

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ハダニが寄生しています。

このハダニがイチゴに移り葉を加害します。

雑草が害虫の発生源になっている顕著な例ですね。


ハウス周りを除草すれば害虫の発生はかなり抑えることができます。

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こちらのお宅ではハウス周りをコンクリートで敷き詰めてありました。
こうすることで害虫の侵入を少なくすることができます。


さて、天敵たちの活躍を紹介します。

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まずアブラムシに寄生したコレマンアブラバチのマミー(ミイラ)です。
このパンパンに膨れ上がったアブラムシの中にアブラバチの幼虫がいて、やがて羽化して脱出してきます。
こういった効果の連続性は一度散布すると成分が分解などで少なくなっていく化学薬剤との一番の違いと言えるでしょう。



また野外にはテントウムシの幼虫がいました。

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テントウムシもアブラムシを捕食する有益な天敵です。


ハダニを捕食するチリカブリダニも確認できました。

P1020260_l.jpgP1020264_l.jpg

冬場はなかなか確認できないチリカブリダニですが、気温の上昇とともに増殖も進んでいるようで、いくつかの圃場で定着を確認することができました。


前にもご紹介しましたが、アブラムシとハダニの天敵による防除はうまくいっているのですが、天敵での防除が難しいのがスリップス類です。

通常のイチゴの花は
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こんな感じに綺麗に咲いているのですが・・・


スリップスに加害された花は
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このように汚れてきます。


こういった汚れた花にはスリップスの寄生が確認できます。

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スリップスは気温の上昇とともに野外で増殖しイチゴハウスの中に侵入してきます。
花粉を好み花を傷つけるので、果実が茶色く褐変して商品価値を著しく下げます。

花の中にいるので薬剤もかかりにくく、一気に増殖するので春先のイチゴの最大の害虫といえるでしょう。

これからの季節のイチゴ栽培は、暑さと害虫との戦いです。
一気に肥大して着色する果実の収穫に追われ、害虫の防除(薬剤散布)に手が回らないのが現状でしょう。

そんな場面でも天敵を導入しておけば長期間害虫を抑えることができるので、これからイチゴ栽培での天敵利用は益々進むと思われます。
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2005年03月31日

3月も終わり

なかなか暖かくならないと思いましたが、今日は冬型の気圧配置も緩み春の日差しが暖かい一日でした。

桜の開花予想はほぼ例年並?
ここのところ暖冬の影響なのか、かなり早い開花が続いていたので桜前線の進み方が遅く感じていましたが、考えたら以前は入学式の頃が満開だったような?


日本の桜を代表する品種といえばソメイヨシノですが、この品種は不稔性で種から子孫を増やせないそうです。
接ぎ木でしか増やせないので全てのソメイヨシノは同じDNAを持っているわけです。
いわゆるクローンが増殖しているわけです。

同じ特性を持っているので、ソメイヨシノの桜並木は一斉に咲いて一気に散るのが特徴です。

これは「散りぎわがいい」とか言われるように日本人の性格にあったのでしょうね。各地でソメイヨシノの桜並木が植えられたわけです。


しかし皮肉にも同じ特性を持つということで、60年程度といわれている寿命も全てのソメイヨシノに共通のものです。

今まで楽しんでいた桜並木が姿を消す・・・
そんな淋しい景色がこれから増えていくのかもしれません。
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2005年03月18日

春の予感

「暑さ寒さも彼岸まで」「一雨ごとに暖かくなる」「三寒四温」など、春先の天候を表す昔からの言葉がありますが、よく言ったもので昨日の冷たい雨が一転して暖かい一日となりました。 3月は寒い日も多かったですが、啓蟄も過ぎて、病害虫も動き始める時期です。




イチゴの炭そ病も既に防除すべき時期に入っています。炭そ病の防除は5月くらいから本格化することが多いようですが、「バイオトラスト水和剤」を発売している出光興産の調べによると、早い時期から防除を開始したほうが発病が少ない傾向がハッキリしているそうです。 親株の植え付けが済んだら「バイオトラスト」などの炭そ病対策薬剤を定期的に散布することをお勧めします。

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