今日は天敵を使って害虫を防除しているイチゴ農家の畑を回ってきました。
日中の気温も25℃くらいあったでしょうか?温室の中は汗ばむくらいでした。
桜も咲き始めてます。
暑くなってくると温室内にもいろいろな害虫が発生してきます。
イチゴの葉裏についたオンシツコナジラミ。
コナジラミは多発すると葉が「すす病」になります。
多発したときの有効な薬剤が少ないので、早期防除や施設内に侵入させないことが重要です。
温室周りや中に雑草が生えている圃場が多いのですが、これは害虫の発生を促す大きな原因になります。
アメリカフウロが温室の中に生えていました。
アメリカフウロの葉裏をみると・・・
ハダニが寄生しています。
このハダニがイチゴに移り葉を加害します。
雑草が害虫の発生源になっている顕著な例ですね。
ハウス周りを除草すれば害虫の発生はかなり抑えることができます。
こちらのお宅ではハウス周りをコンクリートで敷き詰めてありました。
こうすることで害虫の侵入を少なくすることができます。
さて、天敵たちの活躍を紹介します。
まずアブラムシに寄生したコレマンアブラバチのマミー(ミイラ)です。
このパンパンに膨れ上がったアブラムシの中にアブラバチの幼虫がいて、やがて羽化して脱出してきます。
こういった効果の連続性は一度散布すると成分が分解などで少なくなっていく化学薬剤との一番の違いと言えるでしょう。
また野外にはテントウムシの幼虫がいました。
テントウムシもアブラムシを捕食する有益な天敵です。
ハダニを捕食するチリカブリダニも確認できました。
冬場はなかなか確認できないチリカブリダニですが、気温の上昇とともに増殖も進んでいるようで、いくつかの圃場で定着を確認することができました。
前にもご紹介しましたが、アブラムシとハダニの天敵による防除はうまくいっているのですが、天敵での防除が難しいのがスリップス類です。
通常のイチゴの花は
こんな感じに綺麗に咲いているのですが・・・
スリップスに加害された花は
このように汚れてきます。
こういった汚れた花にはスリップスの寄生が確認できます。
スリップスは気温の上昇とともに野外で増殖しイチゴハウスの中に侵入してきます。
花粉を好み花を傷つけるので、果実が茶色く褐変して商品価値を著しく下げます。
花の中にいるので薬剤もかかりにくく、一気に増殖するので春先のイチゴの最大の害虫といえるでしょう。
これからの季節のイチゴ栽培は、暑さと害虫との戦いです。
一気に肥大して着色する果実の収穫に追われ、害虫の防除(薬剤散布)に手が回らないのが現状でしょう。
そんな場面でも天敵を導入しておけば長期間害虫を抑えることができるので、これからイチゴ栽培での天敵利用は益々進むと思われます。
posted by savegreen administrator at 18:17|
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