2006年06月02日

やっぱり薬液はかからない

昨年の暮れから先月の終わりまで、地元のJAしみずと共同でトマトのIPM防除試験を行っていました。

ホリバーロールやエンストリップ、エルカードなどを利用した総合防除を模索する試験でしたが、結果は天敵の活動が思わしくなく対象害虫であるコナジラミ類の発生が増えてしまったので、残念ながら失敗ということで中止と相成りました。


トマトの圃場に増えてしまったコナジラミを退治するために農家が薬剤散布をしているところにお邪魔しました。

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一般的に使われる動力噴霧器と薬液タンクです。


こちらのお宅では散布の省力化のために、噴口が左右に数個ずつついた車輪付の散布装置を使われていました。
(写真を撮り忘れ、つたない管理人作の図でイメージしてください・・・)
spray.gif←こんな感じ


散布しているところを後ろから撮影したものです。
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薬剤の霧はかなり満遍なく作物にかかっていて、これならかけムラもそれほどないだろうと、例によって散布した後を付いて回って確認したところ・・・

表面
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しっかりと薬液がかかって濡れています。

裏面
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ほとんど濡れておらず、コナジラミに比較的効果の高いネオニコチノイド系剤を散布しているが成虫は生きている。

表面
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こちらは表面も全部濡れていない・・・ということは

裏面
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こちらはまったく薬液がかかっていません。



コナジラミに薬剤が効かない!バイオタイプQか!
なんて思い込みがちですが、かけムラを何とかすることの方が先のようです。



この問題は静電噴霧などで解消できるものなのでしょうか?
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2006年06月01日

クワシロカイガラムシの防除

例年5月中下旬は、茶のクワシロカイガラムシの防除適期です。

毎年標高が違う何ヶ所かの畑から、クワシロカイガラムシが寄生した茶の枝を採ってきて、雌成虫が産卵した卵塊の孵化調査を行っているのですが、今年は茶の生育も遅く調査も22日とかなり遅くなってしまいました。

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今回調査した裾野市茶畑(本当にこういう住所があります)の様子。標高は230m程度。なだらかな傾斜の茶園なので乗用の管理機で摘採の最中でした。


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この茶園はまだ植え付け後4年くらいの幼木園。苗に寄生していたのか、クワシロカイガラアムシの発生は局所的。クワシロカイガラムシが寄生すると左手前の株のように新芽の生育が極端に悪くなり、株は枯死します。

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クワシロ雌成虫の寄生の様子。結構ひどく付いちゃってます。

高標高ということで、防除のタイミングはもっと遅いだろうと考えていましたが、実際調査すると50%孵化卵塊率が結構高くなっています。

幼木園で株の中への日光の当たりが良いことや、特にクワシロに加害された株は葉層がほとんどないので余計に日差しの入りが良く、積算温度が早く高くなったものと予想されました。この後調査した100m標高の畑より孵化が進んでいたことはちょっと予想外でした。


次は富士市大渕の標高100mくらいの畑
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この茶園も乗用の管理機で摘採をしていました。摘採するのは茶園の持ち主の農家ではなく、摘採や整枝などの管理を請け負うオペレーターです。

この畑の孵化状況は、まだ20〜30%孵化卵塊の比率が高く防除適期は1週間後くらいと予想されました。

最後にどんな感じで調査しているのか公開します。
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アウトドア用のニコンの防水実態顕微鏡が主力の調査ツールです。
これと電気スタンド、マチ針があれば・・・


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このような茶の枝の表面を見ることができます。(クワシロ雌成虫寄生の様子)

裾野の畑も富士の畑も、クワシロカイガラムシの天敵であるチビトビコバチの寄生がかなり多く(調査したカイガラの概ね7割くらい)天敵の有用性も確認できました。多分薬剤散布が間に合わなくても被害はそれほど広がらないでしょう。

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チビトビコバチと天敵のテントウムシ幼虫(と思われます・・・)
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異常気象と農産物

全国的に天候が不順で、日照不足による農産物の生育不良が問題となっています。
一番茶も例年ならば5月中旬には摘採がほとんど終わっていますが、今年は山間地の遅い場所は未だ摘採が終わっていません。
低温と日照不足で新芽の伸びも悪く、雨による摘採の遅れが重なって特に遅場所での茶価は苦戦した様子です。

富士宮などの高冷地のキャベツも、雨によるべト病などの蔓延が心配されるところです。
花卉類も菊の白さび病など、多湿による病気が多発する傾向にあるようです。

家庭菜園でも播種した枝豆が発芽しないで腐ったり、キュウリが低温で枯れたりと天候不順の影響は広がっています。


『お天道様には勝てない』とよく言いますが、気象の変化による農産物の作況は本当にデリケートです。

平成5年(1993年)に全国を襲った平成の大凶作は記憶に新しいところです。
お米が足りなくてちょっとしたパニック状態になった家庭も多かったですよね。
野菜などが逼迫(ひっぱく)すると農家は儲かっていいようなイメージを受けますが、実際は出荷量が完全に足りてないわけですからいくら単価が高くても利益は出ないというわけです。

これで緊急輸入なんてことになったら国内の農家は潤わないし、儲かるのは一部の輸入商社だけ?みたいな事態になるのでしょうか?

晴れる時には晴れて、降るときは降るという順調な天候がやっぱり望ましいですね。

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2006年05月27日

イルミネーションローズ

5月20日〜21日は清水港フラワーショーに出店してきました。



清水港は今年でお茶の輸出が100周年になる歴史のある国際貿易港で、富士山や駿河湾を望む風光明媚な立地条件と相まって観光客も多く訪れちょっとした名所となっています。

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今回は鉄力あぐりのPRを主体に考えて参加しましたが、浜名湖での反省点を踏まえ、いちごの苗を販売することにしました。
やはりこういったイベントでは飲食店や 食品、種苗が良く売れるようで、するが花卉市場の販売所はかなりの人出でしたし、私どもブースの筋向いだった石垣イチゴジェラードで有名な「ヤマロク」のお店も行列ができていました。

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おかげさまで苗は完売、来場のお客様にアンケートも多数回答頂くことができ、出店の成果は予想以上のものでした。



さて、清水港フラワーショーの目玉と言われていたのが「イルミネーションローズ」です。
暗闇で光るバラだそうです。証拠の写真を撮ってきました。

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光るバラにどんな需要があるのか?想像もできませんが、こういった新しい試みはいいですね。

不況の波に翻弄されている清水ではありますが、二日間の人出を見るとまんざらでもない感じ。


イベントやドリームプラザだけでなく、街中がもっと賑わうような活気が復活すればいいのですが・・・
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2006年05月09日

一番茶の取引量

新茶の季節ですが、県内は連休後半からの雨で茶葉の摘採は進んでないようです。
静岡茶市場の統計グラフを見ても一目瞭然の取引量です。
 
tea_trade060508.gif静岡県内一番茶の取引状況(累計)
 
tea_trade_all060508.gif県外一番茶の取引状況(累計)


これを見ても静岡県内一番茶の取引は、昨年の半分以下(約400トン、昨年は800トン強)、一昨年の約3分の1(同、1200トン弱)(5月8日現在の累計)となっており、これまでの取引量が大幅に減少していることがわかります。

 
グラフのリンク元
http://www.across.or.jp/chaitiba/hp002_002.htm(静岡茶市場、統計資料:一番茶より)
 
 
 
最近の新茶は独特の香りに乏しいと感じていましたが、今年の新茶はどうでしょうか?
香り云々の前に、こんな状況では静岡の一番茶が味わえるかどうか心配です。
 
 
茶業界もリーフ茶の普及のようなことを盛んに提案しますが、お茶の末端価格ってかなり高いですよね。
急須のない家庭もあるような話も聞きますし、茶殻の後片付けや茶碗を洗う手間がリーフ茶の普及を妨げているとも言われますが、ここは一つ茶葉の価格を思い切って下げてみたらどうでしょうか?
 
最高級茶はそれなりの価格を維持するとしても、本当のお茶の味を実感する人を増やすだけでも普及の効果はあるかと思います。
イチゴあたりでも各県を挙げてのPR活動が盛んになされてます。
 
静岡県の農産物を代表するお茶の普及に関して、もっと全国規模のキャンペーンができないものでしょうか?
流行で終わるかもしれませんが、ロハス(LOHAS= Lifestyles of Health and Sustainability)との組み合わせなど、茶業界にとってできることはまだまだたくさんありそうだと思います。
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2006年05月01日

浜名湖フラワーフェスタ2006に行ってきました。

先日の記事 でご案内したとおり、浜名湖フラワーフェスタ 2006に4月28日〜30日の3日間、出展してきました。

P1030339_l.jpg浜名湖ガーデンパークのシンボル「展望塔」

今回はタネまっくんAの製造元である、有限会社ホーテックの小田切社長からお誘いを受けての参加です。

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タネまっくんA、鉄力あぐり・あくあシリーズの他にも、防水紙で作った和風のポットカバーや、手作りのコサージュなどを展示即売してきました。

P1030337_l.jpg和風のポットカバー。図柄がオシャレです。防水なので水がかかっても丈夫。


人出は3日間で50000人とのことでしたが、日中の混雑する時間帯はかなり混雑していました。
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2004年に開催された浜名湖花博の理念を継承する花と緑の総合イベントということで、私どものような資材を販売する会社はもとより、花そのものを取り扱う種苗会社などが集まった賑やかなイベントとなりました。
おかげさまで鉄力あぐり・あくあシリーズは大好評で、多くの方々が足を止めて説明に聞き入っていただきました。また即売も行っており、特に鉄力あくあ300ml+100mlセットの売れ行きが好調でした。(100mlはサービスのお買い得品だったのです)

お買い求め頂いた皆様の反響がとても楽しみです。

しかし、こういったイベント会場で一番強いのは飲食関連ですね。
私どもブースのすぐ隣は、お茶屋さんが出展して新茶の試飲と販売を行っていましたが、試飲コーナーは常に長蛇の列・・・
100g缶詰め放題で1000円の新茶販売も、かなりの大盛況だったようで何度も補充していました。

飲食店が並ぶブースもビールややきそばを買うのに大勢のお客さんが並んでいたし、イベント会場では飲食業強し!の印象を受けました。


浜名湖ガーデンパークでは、いろいろな方法で花を観賞できるように「国際庭園」や「浜辺の観察園」などのようにエリア別に特徴ある展示をしていますが、中でも美しさを誇るのが「モネの庭」

これは印象派の画家であったと同時に、優れた庭師(ガーデナー)だったクロード・モネ の 庭と館を忠実に再現してあって、春から夏にかけては、名画「睡蓮」 のモチーフになったスイレンの花を見ることができるようです。


今の季節はチューリップやスミレが満開でした。

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2006年04月21日

桜とお茶

近所の篤農家の方が言ってました。
「桜の早い年はロクな事がない」

静岡の今年の桜は開花日が3月17日で、平年に比べ11日、昨年より12日早かったようです。


新茶の季節でもありますが、3月末からの低温で新芽の生育は遅れ気味で、遅い場所では茶摘が連休明けにずれ込むような話も聞かれます。


富士山も4月にしてはちょっと雪が大目のような眺め。
200604211127001.jpg


本当に気温は低く推移してるのか?
気になって気象庁の気象観測(電子閲覧室)で地点ごとのデータ(静岡県清水)を確認しました。


10月1日から4月20日までの毎日の降水量、気温、日照時間を調べましたが、通期の合計・平均は以下の通りでした。

2005-2006(oct-apr).gif

このグラフではわかりませんが、気温だけを見ていくと11月から1月までは今年(2005〜2006)の気温が低く、2月に一気に暖かくなっています。(2004年11月〜2005年2月の平均気温:10.9℃  2005年11月〜2006年2月の平均気温:8.4℃)(2005年2月の平均気温:6.8℃ 2006年2月の平均気温:7.8℃)
3月は昨年並みの気温で推移し、4月に入ってからは再び低温条件が続いています。(2005年4月の平均気温:14℃ 2006年4月の平均気温:13.1℃)

いずれにせよ低温傾向であることは間違いないようです。
また降水量が昨年に比べ少ないことも、茶の生育に悪影響を及ぼしていることが予想されます。


ロクな事がない年にならないように祈っていますが、お天道様にはかなわないのでしょうか?

写真は2002年の4月13日に沼津市で撮影したもの。
今年は新芽がほとんど出ていない場所もあり、かなりの遅れが出そうです。
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2006年04月15日

放射温度計

トマトの日焼けとかバラの花の着色異常など、太陽光が作物にもたらす悪影響が問題になる季節です。

レディソルも白色ペイントで施設内温度や作物の表面温度を下げて、高温障害から作物を守るように言ってますが、作物の表面温度ってどうやって測るのかご存知ですか?

管理人は棒温度計でも葉っぱの表面に当てて測るのか?などとバカなことを考えていましたが、ちゃんと専用の温度計があるのです。

350.jpg

その名も「赤外線放射温度計」

赤外線を測定したいものに放射して表面の温度を測れるそうです。
ネットで検索したら意外にもたくさんの種類が出回っていました。

そんなに高価なものではないので一つゲットしちゃいました。
遮光剤の効果を実証するのが今から楽しみです。
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2006年02月20日

ポジティブリスト制とドリフト問題

先週2月16日は全農薬の名古屋ブロック会議でした。

農薬工業会の内田安全対策委員長より「ポジティブリスト制度導入と飛散防止」という演題でお話があったので興味深く聞いてきました。


それを聞いて一つ訂正を、

前回のブログ記事
「例えば単一の作物を大面積で栽培している産地ではドリフトによる適用外薬剤の残留はあまり問題にはならないでしょうが・・・」
と書きましたが、これは私の完全な認識不足でした。

例えば水稲単作地帯の真ん中にぽつんと野菜畑があった場合を考えると、薬剤散布によるドリフトは大問題です。


単一の作物を大面積で栽培していようが、小面積に多品種の作物を栽培していようが、ドリフトの問題は必ず起こります。



今日はこの辺の話題を。

ポジティブリスト制の導入ですべて作物へ農薬等の残留基準値(農薬等が残留しても良い基準値)が設定され、その基準値を超える農薬等が残留している食品は流通禁止となります。

これは現行のネガティブリスト制では、越えてはならない農薬の残留値を設定してあり、そのリストにない農薬の残留が規制できない(海外など日本では登録のない農薬等の残留は規制できない)ことからすると、いわゆる「毒菜」問題で健康被害が取りざたされた輸入農産物の安全性に対してはかなりの前進と言えるでしょう。

ところがこの「すべての作物に農薬の残留基準地が設定される」ことが諸刃の刃になりかねない問題がドリフト(近隣圃場への散布薬剤の飛散)です。


「ポジティブリストで残留農薬を調べてみよう」というページがありますが、こちらではご自身が栽培されている作物の残留基準値を確認することができます。

弊社は静岡県の企業なので「お茶」の残留基準値を見てみましょう。
ここには「茶」に対する267農薬等の残留基準値(案)が掲載されており、これを越える残留値のお茶は流通ができないというわけです。

ここにはお茶の栽培で使用する一般的な薬剤(アセフェート=オルトラン、イミダクロプリド=アドマイヤーなど)や、国内で流通していても「茶」への登録がない薬剤(シモキサニル=ホライズン、カーゼートPZ、ブリザードなどの1成分、フィプロニル=プリンスなど)、加えて国内では流通していない薬剤の残留基準値を調べることができます。

お茶畑の隣で野菜を作っているのは比較的見受けられる環境ですが、例えばここでキャベツに登録があるプリンスフロアブルの残留基準値を見ると・・・

フィプロニル(上から180番目=4分の3くらいの位置にあります)の基準値案・・・


0.002ppm!

これは国内や海外に登録がなく一律で設定される基準値の0.01ppmより更に低い値です。

0.002ppmがどんな数字かといえば、1ppmが100万分の1ですから、それの更に1000分の2ということで10億分の2=5億分の1ということになります。

5億分の1と言ってもピンとこないですよね。
よく言われる例えですが、東京ドームを満員にすると55000人ですけど最近はジャイアンツも人気低迷なのでざっと50000人で数えてみると、東京ドームに50000人入れて20個集めたうちの一人が1ppm(100万分の1)ということになります。
0.002ppmは更にその500倍になるので20個×500=10000個の東京ドームに50000人ずつ入れて、そのうちの一人が0.002ppmになるわけです。

極々微量な数値ということがお分かり頂けたでしょうか?

dom.jpg
(余談ですが、東京ドームの面積は約46000u(46ヘクタール)で、これを500個集めると23000ヘクタールということで、静岡県のお茶栽培面積と同じくらいになります)



プリンスフロアブルは元々水稲用の殺虫剤であるプリンスをフロアブル化して、キャベツを始めとする野菜や花き類に登録を取ったもので、燐翅目害虫のみならずアザミウマにも効果があり既存の系統とは違う薬剤ということで普通に使われている剤です。

キャベツには2000倍で使用しますが、製品のフィプロニル含有量は4.4%なので2000倍希釈液の濃度は22ppmということになり、お茶へドリフトした場合には基準値よりも10000倍程度の高い濃度の薬液が付着することになります。

フィプロニルのキャベツへの残留基準値は0.05ppmなので散布液は基準値の500倍程度の高い濃度となり、フィプロニル自体の分解が早いことが予想されますが、いずれにせよお茶畑の周辺での使用には充分な注意が必要と思われます。



ドリフト対策としては日本植物防疫協会のマニュアルが大変詳しく解説をされていて、これを熟読すれば薬剤側から見たドリフトの防止法はよくわかると思います。
(ドリフトの特徴:不均一など興味深い記述が多い)

しかしこの中で「補完的技術」として取り上げられている「近接作物栽培者との連携」が意外と一番重要だったりするんじゃないでしょうか?
隣で何を作っているのか把握して、例えば例えばJAの指導員や肥料屋さんと相談して散布する薬剤を決めるようなことをすれば、予期せぬ事故はかなり減るんじゃないかと考えます。

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2006年01月10日

ダクト散布いろいろ

毎日少量をダクト内に投入して病害の防除ができるボトキラーですが、ダクトが無いと処理することができません。
充分な風速・風量によってハウス内に満遍なく飛散させるためには、施設内に張り巡らした長いポリダクトが必要です。


と、思ってましたが、様々な工夫を凝らしてダクト内散布を行っている方もいるようです。


そんな中、昨年の暮れに行ったダクト内散布の飛散試験をご紹介します。


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タケザワ製の暖房機です。吹き出し口が上部の左右に二ヶ所あるだけです。
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この地区では省スペース性に優れるということで使っている生産者の方が比較的多いようです。

この形状ではダクトがないのでは!?と思われる方もいるでしょうが、左右に突き出している蛇腹の吹き出し口は立派なダクトと言えるでしょう。

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今回はこの形状のダクトにボトキラーを投入して、どの程度均一にバチルス菌が飛散するかを確認しました。


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ダクト内に計量したボトキラーを設置します。内部はこんな感じ。


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いつもの通り寒天培地を温室内に設置して30分ほど送風運転をし被爆させます。


37℃条件で12時間放置した状態がこれです。
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概ね1000コロニー程度が確認でき、ボトキラーが均一に飛散したことがわかりました。
この段階では植物体も生育初期で小さいため、胞子の飛散には好条件であったかと思われます。
今後、キュウリが成長して植物の容積が増したときにどのような飛散状況になるかの確認は必要かと思われます。


栽培する作物によっては、暖房機が上吹き出しでポリダクトがついていないためダクト内投入ができないという声も良く聞かれます。

こういった場合には上吹き出しのダクトの3本程度にポリダクトを装着することで、ダクト内散布を行うことができます。
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ボトキラーは毎日全てのダクトに投入してください。


また、今日は興味深いダクトの設置方法を見てきました。

こちらです。
P1000835_l.jpg

これはマスターヒーターの先に家庭用の換気扇とポリダクトを組み合わせて、熱が満遍なく回るように工夫したものです。

比較的狭い温室であれば、ここにボトキラーを投入すれば均一に飛散しそうな感じです。

P1000836_l.jpg


ダクト内投入法のアイデアは尽きることがありません。
「うちはこんな方法でやってるよ!」なんて方がいらっしゃったら教えてください!
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2006年01月06日

新年明けましておめでとうございます

本日より遅い仕事始めです。
今年もよろしくお願い申し上げます。

さて、今朝の清水は何十年振りかに雪が降っています。雪
ニュースでも寒い冬と言われていますが、温暖な我が清水には当てはまらないだろうとタカをくくっておりましたが、いやはや驚きです。

外は寒いです。皆様ご自愛下さい。
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2005年11月02日

ワインと天敵

毎週火曜日と木曜日の2回、エンストリップとスパイカル2種のカブリダニがオランダから空輸されてきますが、11月14日の週は納品ができません。

これは11月第3週がボジョレヌーボーの解禁週にあたるということで(今年は11月17日?)ヨーロッパからの空輸便の多くがワインの輸送に充てられ、弱小産業の天敵昆虫を運んでくれる航空会社がないそうなのです。

この時期はイチゴの天敵導入期のピークを迎えているときでもあるし、待ったなしの防除資材なので恐々お客様にその旨を連絡すると、大半の方は「ワイン?仕方ないなぁ」などと納得してくれる様子。

私自身、天敵のデリバリーでお世話になっているTMロジの担当の女性からその理由を聞いたときも「仕方ないなぁ」で終らせてしまいましたし(笑)

忙中閑ありともいいますが、ヨーロッパから空輸される天敵昆虫のエピソードの一つでした。



ところでボジョレヌーボーってそんなに美味しいワインですか?
私としてはカベルネソービニョン種やメルロー種の、どちらかと言えばフルボディに近いワインが好きなので、軽いイメージのボジョレヌーボーでいい思いをしたことがありません。

どなたか、これは美味しい!っていうボジョレヌーボーを教えてくれませんか?
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2005年07月22日

Google マップ

Googleマップを使ってみましたが、ユニークで便利です。

ネット上の地図はMapFanYahoo地図を良く使っていましたが、スクロールの速さや店舗、施設などの検索しやすさではGoogleマップがリードしているように思いました。

例えば店舗を検索するときは、ローカル検索で業種や店舗名を直接入力すると、表示されている地図のエリア内の当該店舗が全て表示されます。
右側に表示された店舗名をクリックすると、ポップアップで店舗情報(住所、電話番号など)が表示され、ポップアップには影までついているというこだわりも楽しいです。


知らない土地に行くときに、あらかじめ「中華料理」とか「イタリアンレストラン」のキーワードで検索することで、場所と電話番号がわかってかなり便利な機能だと思いました。

googlemap01.jpg
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2005年07月09日

トマト黄化葉巻病の蔓延

弊社は国道一号線沿いの農地が少ない場所に位置しています。

昔は周辺に畑や田んぼが多かったのですが、現在は宅地化が進み家庭菜園的な圃場がほとんどです。

園芸を楽しむお客様が肥料や農薬をお求めにみえますが、今年の問題はトマトの黄化葉巻病です。
「新芽が黄色く縮れている」という問い合わせが多く、中には農薬は嫌いだから植えつけてから一度も薬剤散布をしていないという方もいます。

弊社HPでもご案内の通り、黄化葉巻病はシルバーリーフコナジラミが媒介するウィルス病で、トマトとシルバーリーフコナジラミに次から次へと伝播していく厄介な病気です。

家庭菜園だから農薬はまきたくないという気持ちもよく分かりますが、このままでは露地でのトマト栽培は壊滅状態になりかねない勢いです。

薬剤散布に併せて、露地での防虫ネットや粘着シートの利用が不可欠であると感じています。

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2005年06月20日

谷野ファームさんのブログ

弊社リンクページにもご紹介している、浜松でハーブを中心に野菜の栽培をされている谷野ファームさんブログが興味深いです。

「世界の野菜を国産で」というコンセプトでハーブを始めとする様々な野菜を栽培しています。
ブログやホームページを覗いてみると一度食べてみたいと思わせるような野菜たちの紹介がされています。

特徴のあるPeSP苗天敵昆虫を積極的に導入されていて、販売先への営業努力なども含めて野菜生産の一つのスタイルだと感心させられます。
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2005年06月01日

サンクリスタル乳剤のコナジラミへの効果

西日本を中心に黄化葉巻病が猛威を振るっていますが、トマト産地では既存の薬剤が効かないという事態に陥りコナジラミ防除に苦慮している話を聞きます。

こちら→gijutu050316.pdfは熊本県病害虫防除所が発表したシルバーリーフコナジラミの薬剤感受性試験の結果ですが、サンマイトに効果があるくらいで比較的新しいネオニコチノイド系の薬剤も感受性が落ちていることが分かります。

こうなってきますと、効果のあるサンマイトでも2回しか使用できないことから薬剤による防除はお手上げ状態と言えるでしょう。こういう状況下では防虫ネットや粘着シートを総合的に利用するIPM(総合防除)が不可欠といえます。

ところで4月20日の記事でご紹介したサンクリスタル乳剤ですが、トマトのコナジラミへの登録を取得すべく作業に入っているとのことです。

サンケイ化学の社内試験データが中心ですがご紹介します。

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既存剤と遜色ない効果を示していますが注目すべき点はコナジラミ成虫に対する忌避効果です。


昭和50年代にオンシツコナジラミが難防除害虫として問題になった頃、各地の農業試験場で薬剤の防除効果を判定したそうですがその中にマシン油の忌避効果を評価したデータがあるそうです。
ところがマシン油はトマトなどの野菜類には強い薬害があり実用化されていませんでした。

サンクリスタルもトマトなどに散布することによりマシン油と同じ忌避効果を示すようです。これは薬液が散布された葉面が油脂によりコナジラミの寄生に適さない条件になることが理由のようです。
このことは成虫が寄生して吸汁することで感染発病していく黄化葉巻病に対して有効ではないかと推測されます。



また薬液が直接成虫にかかれば速効的に死滅させること。葉裏に寄生している幼虫や卵にも効果が期待できること。一般的なコナジラミ剤の使用回数が2〜3回なのに対し、サンクリスタル乳剤は6回使用できること。効果メカニズムが物理的なので薬剤抵抗性が発達しにくいこと。

以上の点からコナジラミ防除の基幹薬剤としてサンクリスタルを位置づけて行けるかと考えています。

ちなみにトマトの幼苗期の散布においても薬害は認められないので、育苗期〜定植後まで幅広い散布が可能なこともサンクリスタルが使いやすい剤として位置づけられる理由の一つにあげられます。


現在のサンクリスタル乳剤の登録は野菜類のハダニ、アブラムシ、うどんこ病に300倍での散布となっています。


弊社地元のJAしみずを中心に効果試験を実施する予定なので、追って試験結果をご案内できるかと思います。
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2005年04月20日

暖冬?冷夏? 春は?

異常気象の影響なのか、桜の開花も記憶にないくらいの遅さでしたね。

静岡県の特産であるお茶の新芽も1週間〜10日程度遅れているとのこと。
今朝の日本農業新聞では梨の開花も1週間遅れていて、やっと受粉作業ができるという記事が載っていました。


静岡県病害虫防除所が発表している気象の長期予報では、この3ヶ月間の気温の推移は平年並み〜若干高めと予測しています。



しかしここ数年、過去のデータが参考にならないような気象が続いているように見受けられます。

特に温暖化の影響か、南方の病害虫がより高い緯度で発生しているような話も聞きます。


柑橘を栽培できる北限が上がったり、これから農産物の産地の場所も変化していくのでしょうか?
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トマト黄化葉巻病に朗報?

先日サンケイ化学の担当者が来社して

サンクリスタル乳剤がシルバーリーフコナジラミに効きます」

とのこと・・・


サンクリスタル乳剤はイチゴなどのハダニ防除に広く使われている剤ですが、主成分である脂肪酸グリセリドは、植物ヤシ油を原料にした食用油脂で環境や人畜に安全性が極めて高いとされています。

また効果の現れ方は油脂の被覆によるものなので、薬剤抵抗性がつかない剤とされています。

成虫に対する効果は「かかれば死ぬ」ので、同じような被覆系の「粘着くん液剤」「アカリタッチ乳剤」同様速効的であるし、ハダニに対する効き方を見ると成虫のみならずむしろ卵によく効くということで、コナジラミの卵や幼虫に効果があれば黄化葉巻病の対策にはかなり有効かな?と思えました。(アカリタッチや粘着くんは卵、幼虫に対する効果がないようです)

トマト産地の多くでシルバーリーフコナジラミの薬剤抵抗性と黄化葉巻病が問題になっている現状で、サンクリスタル乳剤の効果が実証されれば役立つ薬剤としてブレークするかもしれません。


サンケイ化学からの詳しいアナウンスを心待ちにしているところです。
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2005年04月19日

鉄力あぐり

弊社は一昨年より愛知製鋼の代理店となり、土壌改良剤の「鉄力あぐり」の普及販売に力を入れています。

鉄力あぐり・あくあは常温でも酸化せず「二価鉄イオン」を長期間に渡り植物に供給し続ける効果が特徴の新しい資材です。

今までも鉄分を作物に供給する資材は数多くありましたが、地球上ではマグマの中などの特殊な環境の中でしか存在しない「二価鉄」を商品化したのは「鉄力あぐり・あくあ」が世界で初めてです。


今日は地元でトマトを栽培している農家の方に使ってもらった結果を調査に行ってきました。

shita_01.jpg
トマト生産者の設楽さんと愛知製鋼の川口さん

昨年10月の植え付け前に「鉄力あぐり」を土壌混和処理しました。

tetsuriki_treat01.jpg
鉄力あぐり処理区の根です。通路まで根が張っています。

cont_01.jpg
こちらは無処理区。根の張りが鉄力区ほどではありません。


tetsuriki_treat02.jpg
鉄力区の根。太い根が多く出ています。

cont_02.jpg
無処理区。根の量と太さが全然違います。


鉄力あぐりを処理することで光合成に不可欠な鉄分が長期間に渡りトマトに供給され、なり疲れのしにくいトマトに育ちました。
葉の大きさや厚みも増したようです。

鉄力あぐりはトマトの他にイチゴやきゅうり、根菜類、花などで生育促進効果が認められています。

tetsuriki_cat.jpg



設楽さんのハウスではマルハナバチも活動しています。
maruhana01.jpg


もちろん天窓には逃走防止用のネットを展張してあります。
防虫効果も含めてトマト栽培には必須のアイテムですね。
bee_net.jpg
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2005年04月14日

農薬ナビ

農薬関連の仕事をしていて問い合わせの多い内容は、「作物に登録があるか」「倍率」「使用回数」「使用時期」などの使い方についてです。

去年までは農薬検査所登録情報検索システムを使っていましたが、ちょっと使い勝手がよろしくなくて(作物からの検索や薬剤の特定が面倒)以前あったJPPNETの検索のようなサイトを探していました。

今年の2月から「独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター」の農薬ナビが使えるようになり、これ結構重宝しています。

作物から登録農薬も検索できますし、薬剤名からもダイレクトで登録内容を確認することができます。

こちらからリンクしています

機種は限られますが携帯からの利用もできるので(まだ携帯からは使ったことありませんが)外出先からも簡単に確認できてお勧めの農薬検索システムです。
posted by savegreen administrator at 08:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする