2016年03月10日

サフオイル乳剤の混用事例集を掲載しました。

ハダニなどの成虫のみならず、卵にも効果が高いサフオイル乳剤ですが、サフラワー油と綿実油が主成分の97%を占めるということで混用はあまりできないのではないか?と思っていました。

このたびOATアグリオさんから混用事例集の提供を受けたので、さっそく商品ページに掲載しました。


こちらからも

今のところ薬害面で問題のありそうなのが、オーソサイド、ジーファイン、ハーモメイト、モレスタンあたりで、収穫期のイチゴの防除には問題が無さそうです。
ただ、トマトで大丈夫だからイチゴでもOKというわけではなく、例えばベルクートはトマトでOKとなっていますが、イチゴでは薬害面での検証が必要とのことでした。

事例集でOKなので必ず薬害などがないことを保証するものでもありませんので、混用には細心の注意を払って下さい。

そして、調製後散布時には攪拌機を必ず使用すること、一般的な展着剤を加用すること、速やかに散布してなるべく早く乾燥させることが大切です。


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2015年05月02日

パイレーツ粒剤

ナス、きゅうり、ピーマン、マンゴーのアザミウマ防除で特徴的な効果を現す「パイレーツ粒剤」ですが、先日ナスの圃場で有効成分である「メタリジウム菌」を確認したのでご紹介します。

その写真がこちらです。
pirates_mold.jpg


パイレーツの製剤である米粒にカビが生えているのがわかりました。

スワルスキーでもナスのアザミウマ防除はとても効果的なのですが、スワルスキーはアザミウマの1齢幼虫しか捕食しないので、捕食できなかった幼虫は老齢→蛹→成虫と成長を続けてしまします。

その生活サイクルを断つのが「パイレーツ粒剤」なのです。
蛹になるために土中へ移動したアザミウマの老齢幼虫が、このパイレーツのカビに感染して死滅します。

パイレーツ処理後はナスが植わっている土壌を確認して、このようなカビが生えていれば一安心です。
処理された方は是非ご確認下さい!!

パイレーツ粒剤のお求めは
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2012年06月01日

静岡県から平成24年度 病害虫発生予察注意報第1号が発令されました

静岡県病害虫防除所から6月1日付けで平成24年病害虫発生予察注意報第1号が発令されました。

6月から8月にかけて落葉果樹、びわ、かんきつに果樹カメムシ(チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ)の他発生が予想されるという内容です。


カメムシは薬剤に対してさほど強いわけではないのですが、飛んで逃げてしまうため一旦は収まったかのように見えても、またすぐに加害されてしまうというパターンが多く、何度も薬剤散布をしなくては効果が上がらないところが厄介な害虫です。


注意報の内容は下記リンクからご確認下さい。
防除薬剤などについては弊社までお問い合わせ下さい。

平成24年度 果樹カメムシ注意報第1号.pdf
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2012年02月09日

平成23年度病害虫発生予察注意報第2号(タマネギ腐敗病)が発令されました。

平成24年2月7日付で静岡県病害虫防除所からタマネギ腐敗病の発生予察注意報が発令されました。

これは1月の県の圃場巡回調査で発生が多く見受けられ、今後も多発傾向が予想されるため発令されたものです。
昨年秋の風雨による感染に加え、今冬の干ばつによるタマネギの抵抗力の低下、また今後気温の上昇や降水量の増加で腐敗病の発生に適する条件となることが原因のようです。

静岡県中西部のタマネギ生産圃場では一層の注意が必要です。
腐敗病の防除については、添付の注意報本文を参照にしてください。

H24タマネギ腐敗病注意報第2号.pdf
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2011年10月07日

平成23年度病害虫発生予察特殊報第1号(ナシ、フモンマダラメイガ)が発令されました。

静岡県病害虫防除所は10月5日付けで、平成23年度病害虫発生予察特殊報第1号(ナシ、フモンマダラメイガ)を発令しました。
病害虫予察特殊報とは県内で未発生だった病害虫が初めて確認された時に発令する予察で、今回はナシのフタモンマダラメイガが平成23 年6 月21 日、志太榛原地域のナシ園において発生が確認されたことで発令されました。(6月21日!?)

予察報の内容はこちら

フタモンマダラメイガは、主にカキ、クリ、リンゴの枝幹を加害する害虫で、ナシの枝幹への加害は、平成11 年に三重県で確認され、それ以降、愛知県、神奈川県、新潟県、山口県でも確認されている。
その他の作物では、平成18 年に山梨県でブドウ、モモ、スモモ、平成20 年に長野県でスモモの枝幹への加害が確認されている。
(静岡県予察特殊報より抜粋)

とのことで、愛媛県の資料に果実への加害状況がわかりやすく解説してあったので紹介します。
ナシのフタモンマダラメイガの被害と防除(愛媛県)

これによれば6〜7月にシンクイムシの防除を行っている園では果実被害が少ないとのことなので、フェニックス顆粒水和剤あたりで防除していれば大きな問題にはならなそうな害虫?
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2011年05月20日

茶 クワシロカイガラムシの防除適期

今年の一番茶も遅場所が終盤に近づき終わろうとしています。

今朝の静岡新聞の茶況を見ると「収量減、単価安」で終息しそうとのこと。
お茶業界にとっても厳しい年になりそうです。

でもこんな世の中だから、リーフティをゆっくり淹れて落ち着いた時間を過ごすことも大切ではないでしょうか?
今年はお茶を楽しむ時間を取りたいと思っています。

さて、5月も終盤で茶の病害虫の活動も活発になってくる季節です。
先日、日本農薬さんの技術担当者と面談をして、クワシロカイガラムシの防除適期について情報をもらったのでお知らせします。

東部中心の情報でスミマセン・・・

富士市岩本で5月25日過ぎ〜6月初旬
沼津市の愛鷹(東名高速上)で5月24日〜25日
清水区小島で5月22日頃から
という情報でした。

ちなみに県の茶業研究センターの適期が5月25日とのことですので、早場所では既に適期に入りつつあり来週中盤からピークを迎えるのでしょう。

クワシロカイガラムシが問題になり始めた20年ほど前の第一世代の防除適期が、ちょうどこのくらいの時期だったように記憶しています。5月の25日くらい。

それが温暖化の影響なのか?年を追うごとに早くなってきたんですね。
早い年はゴールデンウィーク明けには幼虫の孵化が確認できたこともありました。

今年は気温が低めと言われますが、この位が20年前の標準だったんじゃないのでしょうか?

小さな虫の発生状況がそんなことを教えてくれているような気がします。



昨年までクワシロカイガラムシ防除の中心剤だった「アプロードエースフロアブル」の使用基準(摘採前日数)が21日に変更となっていますのでご注意下さい。
二番茶も遅れ気味なので使用時期には余裕がありそうですが、本年からは新しい殺虫剤「コルト顆粒水和剤」のご使用をお勧めします。
「コルト顆粒水和剤」は茶のクワシロカイガラムシに対して、2000〜3000倍で摘採7日前まで散布ができます。
また、新世代の殺虫剤なので安全性に優れ、害虫に対する活性は既存剤よりも高くなっています。
また、チャノキイロアザミウマ、チャノミドリヒメヨコバイにも高い効果を表すので同時防除が可能です。
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2010年12月13日

コルト顆粒水和剤の効果

今日はコルトをトマトで使ったお客さんから嬉しい電話がありました。

「コルト使ったけど、黄色い蛹まで落ちるような感じの効果があるよ。今までのコナジラミ剤とはちょっとモノが違うって感じ」

散布後に効果に感心してわざわざ電話をしてきてくれました。

こういう生の声を聞くと、自信を持って勧められますね。
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2010年03月09日

きつつき君の防除効果

昨日の記事で紹介した河村農園さんですが、出光ブランドの「のぞみ」トマトを栽培しているということで、灰色かび病の防除にボトキラーのダクト自動投入機「きつつき君」をご利用頂いてます。



IMG_20100218_0149_2.jpg

「のぞみ」の品種である小桃は灰色かびには比較的強いのですが、一緒の温室に植えている「アイコ」は昨シーズン灰色かび病に悩まされたとのこと。
ところが今シーズンの「アイコ」はほとんど灰色かび病の発生が無く、ボトキラーのダクト散布の効果を実感頂いています。



IMG_20100218_0156_2.jpg
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2010年03月01日

静岡県病害虫防除所より平成21年度発生予察注意報第2号(カンザワハダニ)が発令されました

静岡県病害虫防除所より3月1日付でチャのカンザワハダニの発生予察注意報が発令されました。

カンザワハダニはここのところ少発傾向の年が続いていましたが、久しぶりに多発傾向にあるようです。
雨が多いとハダニは少発傾向なのですが、気温が高めに推移していることや、茶価の低迷で秋防除が徹底されていないことが多発要因としてあるのでしょうか?

予察注意報本文はこちら
H21年度注意報2号カンザワハダニ_本文).pdf

カンザワハダニの写真及び被害葉の様子はこちら
カンザワハダニ写真静岡県病害虫防除所

予察注意報によれば、2月中旬の巡回調査でカンザワハダニの発生量が平年より多く、今後密度がさらに高まり、一番茶への被害が予想されるとのことです。

最も収入が期待できる一番茶への被害を食い止めるため、防除の徹底を図りましょう。

食品の「でんぷん」を利用した安全性の極めて高い殺虫剤「粘着くん液剤」
チャのカンザワハダニに摘採前日まで安全に使用できます。
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2010年01月31日

トマト 黄化葉巻病と家庭菜園

家庭菜園のシーズンを前にちょっとひとこと。


西日本を中心に中部から北関東まで発生が確認されているトマトの黄化葉巻病ですが、管理人も昨年栽培したトマトが被害にあいました。

黄化葉巻病はトマトの害虫であるタバココナジラミのバイオタイプQがそのウィルスを伝播して、トマトの新芽部分に葉巻症状を発生させ、新芽が伸びなくなって収穫が皆無になる恐ろしい病害です。
病害虫の被害というのは、たとえばアブラムシやヨトウムシがついて果実100個収穫できるものが90個に減収したとしても、経済的に許容できる範囲であるならば作物を栽培して販売する経済活動が成り立つわけですが、収穫が限りなくゼロに近くなってしまうとすれば生業として成り立ちません。
トマトの黄化葉巻病はそんな恐ろしい側面をもつ病害なのです。

生産農家は黄化葉巻ウィルスを伝播するタバココナジラミを駆除するために様々な対策を講じてます。
たとえば薬剤散布、害虫の侵入を防ぐ細かい目合いのネット展張、害虫捕殺用の粘着シートの設置。しかしタバココナジラミバイオタイプQは薬剤感受性が低下していて、防除が大変に難しい害虫となっています

黄化葉巻病のようなウィルス病は、そのウィルスに感染した伝播者(タバココナジラミBTQ)がは一頭でもいると病気は蔓延する可能性が高く、100%伝播者を駆除しない限り被害が低減しないという性格を持っています。つまり大変に防除が困難な病害なのです。

ウィルス病には防除の許容水準はなく、伝播する害虫をゼロにしないと蔓延は抑えられません。

したがってトマトの生産農家はコナジラミを限りなくゼロに近くしようと対策を練るわけですが、ここに家庭菜園という圧倒的に多数の(誤解を恐れずに言いますが)黄化葉巻病の発生源が存在しているのが現状です。

筆者も含めて、家庭菜園は農薬の防除圧(薬剤防除の機会)が低いのは、生産現場に比べたら顕著かと思います。言うなればキッチリコナジラミの防除対策をしている農家の周りに、ウィルス病を持ったトマトの株が植わっているというのが現状なのではないかと考えてます。

トマトの産地では、家庭菜園で植わっているトマトの防除を徹底するお願いや、最後にはトマトの栽培を止めて欲しいという依頼を行政やJAを通じて行っていますが、主要な夏野菜であるトマトを家庭菜園で作らないという流れにはなりえないでしょう。


現状でトマト産地が採用した対策の一つに黄化葉巻耐病性品種の導入があります。
耐病性品種というのは、黄化葉巻病ウィルスが感染してもその症状が極めて軽く、減収率が低いものです。黄化葉巻病発生地域のトマト産地では耐病性品種の導入は不可欠とも言えるでしょう。

でもここで考えること・・・

耐病性品種の品質が消費者に受け入れられるのか?○○種苗の○太郎がそのブランドを確立して圧倒的な人気を獲得している日本の市場で、その他のブランドが受け入れられるのか?

これは流通を担う立場の人が考えることなのかもしれないけど、トマトを栽培するという場面では生産物が出荷できなければ意味ないし。


多分露地栽培では耐病性品種でなければ収穫できないだろうし。
でも、耐病性品種であろうとウィルスは保毒するから、周辺で栽培している感受性の品種では被害は変わらないわけです。


家庭菜園向けのトマトの苗は耐病性品種を売れば喜ばれるでしょう。
でも、その周辺で感受性の品種を作ってる農家にとっては迷惑極まりないことであって、黄化葉巻病というのは種苗会社や生産農家、家庭菜園でトマトを栽培する人、薬剤を開発する農薬メーカー、その他行政など全ての関係者が自分の事として真剣に取り組まなくてはいけないことなのでしょう。九州などはすでに関係者が一丸となって取り組んでいるんでしょうけれど、うちの周りは意識低い場面もあるんだろうなぁと・・・
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2007年07月11日

茶のクワシロカイガラムシの発生予察注意報が発令されました。

2007年7月5日付で静岡県から茶のクワシロカイガラムシの発生予察注意報が発令されました。
予察注意報によれば、県下全域で7月下旬(山間地は8月上旬)まで多発が予想されるとのことです。

早速お客様から発生状況の調査を依頼されたので、沼津市の愛鷹山麓まで出かけてきました。

ashitaka.jpg
愛鷹山麓の茶園は、駿河湾を望む南斜面で景色がとても良い場所に位置してます。


tea_growth_b.jpg
茶の樹が所々で枯れているのがわかりますが、これがクワシロカイガラムシの被害状況です。

茶の畝の中を覗いてみると。

kuwashiro001.jpg
kuwashiro002.jpg

上の写真のように白いカイガラが茶樹の幹に多数付着しています。
このカイガラの中にクワシロカイガラムシの雌成虫が生息していて、茶の樹液を吸っています。

下側の写真は雄成虫の繭で、この時期は既に脱出した後です。
この雄繭が目立つので「クワシロカイガラがたくさん出ている!」と言うことになりますが、実際に茶の樹に大きな被害を及ぼすのは上の写真にある雌成虫です。

この雌成虫が寄生した枝を、ほ場のあちこちから切ってきて実態顕微鏡で産卵や孵化状況を確認します。

scope.jpg

こんな20倍程度の実態顕微鏡で充分観察ができます。

茶の樹の表面には、
kuwashiro02.jpg

こんな感じでクワシロカイガラムシの雌成虫が寄生してます。
この白いカイガラを剥がすと、

kuwashiro03.jpg

オレンジ色の雌成虫と卵、それから時期になると卵から孵化した幼虫が歩いているのが確認できます。
この幼虫が付近を歩き回り、やがて定着して分泌物を吐き出してカイガラを被ります。

アプロードエースやスプラサイドの散布適期がこの幼虫の歩いている時期と言われるのは、カイガラを被ると薬剤が到達しにくくなり効果が低下するためです。

kuwashiro04.jpg

上の写真の小判型をしたのが定着間際の幼虫です。
この時期に薬剤を散布すれば高い効果が得られます。


さて、顕微鏡の下ではクワシロカイガラムシのみならず、いろいろな昆虫が活動しています。
まずはテントウムシの幼虫でしょうか?テントウムシはヒメアカボシテントウやハレヤヒメテントウがクワシロカイガラムシの天敵として知られています。
ne01.jpg

そしてクワシロカイガラムシの天敵としては最も知られているチビトビコバチ。
chibitobi01.jpg

この他にも、雌成虫のカイガラをめくると中にハエの幼虫と思われるウジ虫がクワシロを捕食していたり、カブリダニのようなダニが活動していたりします。
現在静岡県ではこういった土着の天敵を活用して防除を効率的に行う方法を模索しています。
天敵類に影響の少ないと言われているのがアプロードエースですが、施設栽培のみならず露地栽培でも天敵類に影響の少ない薬剤を選択することが重要視されるようになってきました。


さて、一番大事な調査結果ですが標高5mのところでも未産卵の雌成虫率が68%。
32%の雌成虫は産卵をしてはいるものの、孵化卵塊は認められませんでした。(雌成虫100頭を調査)

まとめると下記の通りとなります。

地点1
沼津市船津(標高5m)
未産卵雌成虫数(構成比):68(68.0%)
0%孵化卵塊数(構成比):32(32.0%)
孵化卵塊数(構成比):0(0.0%)

地点2
沼津市船津(標高30m)
未産卵雌成虫数:15(15.0%)
0%孵化卵塊数:85(85%)
孵化卵塊数:0(0.0%)

地点3
沼津市船津(標高50m)
未産卵雌成虫数:59(57.8%)
0%孵化卵塊数:43(42.2%)
孵化卵塊数:0(0.0%)

地点4
沼津市井出(標高125m)
未産卵雌成数虫:66(66.0%)
0%孵化卵塊数:34(34.0%)
孵化卵塊数:0(0.0%)

地点5
沼津市井出(標高135m)
未産卵雌成虫数:97(97.0%)
0%孵化卵塊数:3(3.0%)
孵化卵塊数:0(0.0%)

地点6
沼津市石川(標高230m)
未産卵雌成虫数:81(98.8%)
0%孵化卵塊数:1(1.2%)
孵化卵塊数:0(0.0%)

卵から孵った歩行幼虫は今回の調査では確認できませんでした。
このことから調査地点の防除適期はまだ1週間以上先になると推測されます。

比較的低標高の地点でも孵化が進んでいないことが意外でした。

静岡県病害虫防除所で発信している防除情報によれば、標高3mの清水で孵化最盛予測日が7月14日(防除適期7月16日から数日間)としていますが、今回の沼津市では明らかにこれよりは遅くなると思われます。

いずれにせよ、クワシロカイガラムシの防除適期は畑によっても、その畑の中でも南側と北側、道路に面している場所と畑内側では違いがあります。

ご自身の畑の適期を逃さないように、実際にルーペなどで細かく観察することをお勧めします。
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2006年06月03日

梅雨時の病害虫対策〜なめくじ〜

気象庁が5月の天候概要を発表していますが
「東日本と西日本で、日照時間がかなり少なく、降水量が多かった」
「全国で気温が高かった」
とまとめています。

今年の入梅は日本で一番早い沖縄奄美地方が遅れめで、九州南部が昨年より16日も早い状況になっています。
東海地方の入梅は平年値で6月8日ですが、今年はいつになることでしょう?


梅雨に入ると高温多湿条件を好む病害虫が多発するようになります。
特に多雨、少雨の違いでは病害の発生程度は極端に変わってきます。今年の5月は雨が多かったため、キャベツのべト病や茶のもち病など多湿条件で発生する病害が問題となりました。
病害の話はまたの機会に譲ることとして、今日は梅雨時の定番害虫「なめくじ」のお話です。


子供の頃、塩で溶かして退治したなめくじですが、農作物の加害という面では大変に厄介な存在です。
イチゴ、ナス、ピーマン、レタス、キャベツ、ハクサイ、セルリなどの野菜類から、ブドウ、ミカンなどの果樹、シンビジウムなどのランや花卉などその食害作物はとても幅広いものです。


ナメクジの中でも、最もよく見られるのがノナメクジで、土の中や落ち葉などの湿気の多い場所で越冬し(成体でも幼体でも可)、早春から活動を始めます。
成体で越冬したナメクジは春に産卵し、孵化した幼体は好条件だと約三五日で成体となり、産卵可能になります。産卵は春と秋に二回、土中や落ち葉の下などにかためて産み、一匹のナメクジは、年間になんと約300粒産卵します。

多湿条件を好むので日中は敷き藁や石の下で生息し、夜になると作物表面に上ってきて加害します。


防除は基本的にはメタアルデヒドを主成分とした薬剤で行いますが、散布方法を工夫することで効果がかなり違ってきます。

一つ目は散布する時間帯です。
夜間に動き回る習性があるので、夕方に処理することが鉄則です。
また雨上がりなどの湿気の高い日も活動が盛んになるので駆除には適しています。

二つ目は薬剤の散布方法です。
ほとんどの薬剤が粒状ですが、これはパラパラと撒かずに数十粒ずつまとめておいた方が誘引効果が高まります。
また、プロの農家は下のような簡単なトラップを使って効率的に防除しているようです。

namekujihoi.gif

湿度を好むので、肥料袋や敷き藁を敷いた下に薬剤を置いても効果が増すようです。


なめくじ駆除剤の有効成分である「メタアルデヒド」はキャンプなどの発火剤に使われるもので、なめくじがこの匂いに誘引されて接触したり食べたりすることで粘液の異常分泌が起こり、体内水分が脱水して死滅に至るようですが、薬剤の処理量が足りないと死に掛けたなめくじが再び水分を吸収して復活するそうです。


なめくじ防除のまとめとしては

1.夕方に薬剤を処理する
2.薬剤は数十粒ずつまとめて設置する
3.牛乳パックで簡易トラップを作ったり、湿気のより高い場所に薬剤を処理するのも効果的
4.処理量は充分に。また薬剤は水に濡れると効果をなくすので、こまめに取り替える

以上がポイントとなります。


具体的な薬剤としては、
一般的なメタアルデヒドを配合した「ナメキール」など
P1030606_l.jpg

メタアルデヒドのみならず、他の殺虫成分も加えヨトウムシなどの防除もできる「グリーンベイト」
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メタアルデヒドに酒かすを加え、誘引力をアップした「ナメルト」
nameruto_cat1.jpg

メタアルデヒドを液体にして水で散布できるようにした「マイキラー」
「マイキラー」は散布した上をなめくじが歩いても死滅します。
NEC_0002_l.jpg

メタアルデヒドではない「リン酸鉄」を主成分として粒が硬く崩れにくい「ナメクジ退治〜フェラモール」
P1030602_l.jpg

などなど、様々ななめくじ駆除剤が市販されています。
用途に合わせてお選び下さい。

 
ナメクジ駆除剤のお求めは
 
Savegreen Web Shop でどうぞ
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