三保半島から久能山に至る駒越地区の海岸沿いでは、いろいろな作型で枝豆が栽培されており地元特産物の一つとして有名です。
ブランド化も成され(フジエス枝豆)、現在では珍しい木箱の荷姿(根茎葉付)と切り豆(駒豆ちゃん)の二つの形態で出荷されています。
輸入物の枝豆が増えるなかで、取立ての味は格別です。
有名な石垣イチゴの後作を利用して栽培したり、周年栽培をしたりと作型は様々ですが問題になるのはハダニを中心とする害虫防除です。
石垣イチゴのハウス
石垣イチゴの後作に植付
こちらは通常の栽培。最近は移植が減り直播きが増加
ハダニの被害
枝豆の葉に寄生しているハダニ
ハダニの被害は上の写真にもある通り、葉が脱色してきて放置しておくと枯死に至るほど深刻です。
登録農薬はダニトロンやサンマイトがあるものの、生育後期には株が密集して薬剤散布もままなりません。
そこでJAしみずと共同でハダニの防除にカブリダニ2種(チリカブリダニ、ミヤコカブリダニ)を利用できないものかを検討しています。
試験は2005年5月より開始しました。
石垣の枝豆へのスパイデックス放飼(アリスタライフサイエンスの静岡担当ノガちゃん)
放飼後の様子
収穫間際の7月1日に状況を観察しました。
圃場の様子
葉の被害、かなりすすけておりハダニの寄生が目立つ。
結果は今ひとつでありましたが、今後放飼のタイミング、放飼量、カブリダニの増殖場所の検討(稲わらの利用による生息場所確保)などの検討を進めて行きたく考えています。
天敵の定着も確認でき、生産者の方から薬剤散布の労力を解放する有効な手段となりえる手ごたえをつかんでいます。
枝豆に定着しているスパイカルとスパイデックス
教えていただきたいことがあります。ハダニの天敵に関する質問ではないのですが、ハダニによる、枝豆の莢の表面の被害とういのを確認または聞いたことがあるでしょうか。ご存じなら教えてください。
ハダニはエダマメの重要害虫の一つで、その被害は主に葉の表面のかすれ(白っぽく色が抜ける)です。これにより光合成能力が落ちたり、更には葉が枯れてしまいます。
莢の被害も多発条件下では確認しています。
被害状況は茶色く変色し、豆の肥大が阻害されるとのことなので、このような症状の場合はハダニの被害と考えてください。