夜冷処理をして花芽を強制的に早く分化させた苗は9月の上旬から植付を始めますが、概ね9月中旬の定植が一般的です。
今年の9月上旬は残暑というか夏より暑いような湿度も高い高温状態が続き、花芽の分化に影響がありそうで心配ではありますが、ここのところJAなどで確認すると順調に花芽は上がってきているようです。
高温多湿条件だと多発するのが炭そ病や疫病といった厄介な病害です。
例年、上手に苗を作る生産者の方も今年は急激な発病があったりして大変苦労をされていました。
またここにきて急激に仕立てた苗が枯れてしまった生産者の方もいらっしゃるようです。
弊社でも7月の終わりには、病気が多いので薬剤散布を徹底したり、窒素過多にならないような管理をお願いする案内を流したりしましたが、なかなかうまくいかないのが現状だったようです。
ところでこういった「病気が多いですよ」という案内を出すと、あらぬ勘繰りをする御仁もいるようで「お前のところの苗が病気を持っているからこんな案内を出したのだろう」というようなことを先日言われて愕然としました。
その方に親株を出荷したのが今年の2月ですから、9月になって苗が枯れ始めたのはどう考えても7〜8月の管理に手落ちがあったとしか思えないのですが、その方は苗が悪いと言い張るだけなのです。
イチゴの苗が枯れれば炭そ病と言われ、苗が原因とされることが本当に多いのですが、まずは管理を省みて頂くことも必要かと思っています。
「毎週消毒しているから病気が出たのは苗が悪い。」
結構聞かれるセリフではありますが、詳しい散布履歴を見せてもらうと問題がある場合も多々あります。
なるほど、消毒は週に1度行っているのですがうどんこ病対象の殺菌剤を数回に渡り連続していて炭そ病の薬剤が抜けたりしていることもあります。
また、薬剤の散布時間が夕方遅すぎて、薬液が乾かない状態で残っていたりするのも病気の対策としては望ましくありません。
散水にしても頭上から高圧の水をまけば、病原菌は水に乗って飛散します。
病気が発生して広がるメカニズムを再確認することも必要だと感じた出来事でした。
ラベル:イチゴ 苗