2006年06月03日

梅雨時の病害虫対策〜なめくじ〜

気象庁が5月の天候概要を発表していますが
「東日本と西日本で、日照時間がかなり少なく、降水量が多かった」
「全国で気温が高かった」
とまとめています。

今年の入梅は日本で一番早い沖縄奄美地方が遅れめで、九州南部が昨年より16日も早い状況になっています。
東海地方の入梅は平年値で6月8日ですが、今年はいつになることでしょう?


梅雨に入ると高温多湿条件を好む病害虫が多発するようになります。
特に多雨、少雨の違いでは病害の発生程度は極端に変わってきます。今年の5月は雨が多かったため、キャベツのべト病や茶のもち病など多湿条件で発生する病害が問題となりました。
病害の話はまたの機会に譲ることとして、今日は梅雨時の定番害虫「なめくじ」のお話です。


子供の頃、塩で溶かして退治したなめくじですが、農作物の加害という面では大変に厄介な存在です。
イチゴ、ナス、ピーマン、レタス、キャベツ、ハクサイ、セルリなどの野菜類から、ブドウ、ミカンなどの果樹、シンビジウムなどのランや花卉などその食害作物はとても幅広いものです。


ナメクジの中でも、最もよく見られるのがノナメクジで、土の中や落ち葉などの湿気の多い場所で越冬し(成体でも幼体でも可)、早春から活動を始めます。
成体で越冬したナメクジは春に産卵し、孵化した幼体は好条件だと約三五日で成体となり、産卵可能になります。産卵は春と秋に二回、土中や落ち葉の下などにかためて産み、一匹のナメクジは、年間になんと約300粒産卵します。

多湿条件を好むので日中は敷き藁や石の下で生息し、夜になると作物表面に上ってきて加害します。


防除は基本的にはメタアルデヒドを主成分とした薬剤で行いますが、散布方法を工夫することで効果がかなり違ってきます。

一つ目は散布する時間帯です。
夜間に動き回る習性があるので、夕方に処理することが鉄則です。
また雨上がりなどの湿気の高い日も活動が盛んになるので駆除には適しています。

二つ目は薬剤の散布方法です。
ほとんどの薬剤が粒状ですが、これはパラパラと撒かずに数十粒ずつまとめておいた方が誘引効果が高まります。
また、プロの農家は下のような簡単なトラップを使って効率的に防除しているようです。

namekujihoi.gif

湿度を好むので、肥料袋や敷き藁を敷いた下に薬剤を置いても効果が増すようです。


なめくじ駆除剤の有効成分である「メタアルデヒド」はキャンプなどの発火剤に使われるもので、なめくじがこの匂いに誘引されて接触したり食べたりすることで粘液の異常分泌が起こり、体内水分が脱水して死滅に至るようですが、薬剤の処理量が足りないと死に掛けたなめくじが再び水分を吸収して復活するそうです。


なめくじ防除のまとめとしては

1.夕方に薬剤を処理する
2.薬剤は数十粒ずつまとめて設置する
3.牛乳パックで簡易トラップを作ったり、湿気のより高い場所に薬剤を処理するのも効果的
4.処理量は充分に。また薬剤は水に濡れると効果をなくすので、こまめに取り替える

以上がポイントとなります。


具体的な薬剤としては、
一般的なメタアルデヒドを配合した「ナメキール」など
P1030606_l.jpg

メタアルデヒドのみならず、他の殺虫成分も加えヨトウムシなどの防除もできる「グリーンベイト」
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メタアルデヒドに酒かすを加え、誘引力をアップした「ナメルト」
nameruto_cat1.jpg

メタアルデヒドを液体にして水で散布できるようにした「マイキラー」
「マイキラー」は散布した上をなめくじが歩いても死滅します。
NEC_0002_l.jpg

メタアルデヒドではない「リン酸鉄」を主成分として粒が硬く崩れにくい「ナメクジ退治〜フェラモール」
P1030602_l.jpg

などなど、様々ななめくじ駆除剤が市販されています。
用途に合わせてお選び下さい。

 
ナメクジ駆除剤のお求めは
 
Savegreen Web Shop でどうぞ
posted by savegreen administrator at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 病害虫防除 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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