イチゴの天敵防除は数年前からミヤコカブリダニを導入するようになって成功事例が多くなってきましたが、今年もいい感じで働いてくれています。
両方ともハダニが多数寄生して葉先に網が発生してしまっている株ですが、葉色がそれほど悪くないことがわかると思います。
この葉裏にはミヤコカブリダニが多数定着していて、ハダニをほとんど食べ尽くしていました。
また、新芽にもハダニの寄生は無く、ミヤコカブリダニによる防除がうまくいった事例と言えるでしょう。
この後も薬剤散布をする必要もないと判断しました。様子を見てハダニが増えてくるようなら、その段階で薬剤散布か天敵の追加放飼を考えればいいでしょう。
少し前まではイチゴのハダニ防除に天敵を使う場合、秋口にスパイカル(ミヤコカブリダニ)→春先にスパイデックス(チリカブリダニ)という体系を勧めていましたが、ミヤコカブリダニの定着の良さを考えるとミヤコ→ミヤコの体系でも(もしくは秋にミヤコ一回でも)いいのかな?と考えています。
チリは餌であるハダニを食い尽くしてしまうと、数が減っていき最後には定着が確認できなくなりますが、ミヤコの場合はハダニを食い尽くしたとしても土中の細かな虫や花粉を食べて生き延びることが知られています。
農薬的(駆除的)な効果のチリカブリダニと、ハダニがいなくても生き延びてハダニの発生葉に出動してくれるミヤコ…
ハダニを食べる量はチリの方が多いとされていますが、ミヤコは定着の良さで捕食量をカバーできると思います。この先春までハダニの発生は懸念されるわけなので、春先の天敵導入もミヤコカブリダニをお勧めするところです。