ホリバーを始めとする粘着シートは物理的に害虫を捕殺するもので、農薬のような決められた使用基準があるわけではありません。
しかしトラップを設置する基本としては「害虫を集めて捕獲すること」や「害虫の通る場所に設置すること」は外せません。決まりはなくても効率的に害虫を捕まえるための工夫は必要というわけです。
それではホリバーロールのパンフレットに沿ってご紹介いたします。
上の3つは施設周りにホリバーロールを設置する基本的なやり方です。
特に天窓から害虫が侵入するのを防ぐのには(2)の二段設置法が有効だそうです。
(3)は施設周りに支柱が打てない場合、ホリバーロールの粘着を利用して直接施設のガラス面などに貼り付ける方法です。
(4)は施設周辺の野外で害虫を捕まえてしまおうというものです。
しかしこの方法は短期的には有効かもしれませんが、粘着力の持続性からいって何度も張り替える手間とコストがかかります。
(5)は害虫の侵入防止には効果が高いとされている白マルチ(シルバーでもOK)とホリバーの併用です。
白マルチで侵入を阻止して、その近くに設置したホリバーで捕殺するやり方でこれは効果的かと考えます。
上のやり方は「侵入させない」防虫ネットと「捕まえてしまう」ホリバーの組み合わせで、とても有効かと思われます。
露地の設置は粘着力の持続性の問題があります。弊社の試験では梅雨時に1ヶ月程度で粘着力がかなり落ちてしまった事例もあり、その程度の期間しか保てないと手間やコストの面でお勧めできません。
しかし農薬取締法の改正やポジティブリスト制の導入により、野外での農薬の使用には更なる注意が必要となっています。
また、アザミウマやコナジラミでは薬剤抵抗性が問題となっており、農薬のみに頼らない害虫防除は必須と考えます。
そういった意味でも露地で粘着シートや防虫ネットを上手に使って害虫を抑える方法は今後外せないかなぁ?などと思っています。