充分な風速・風量によってハウス内に満遍なく飛散させるためには、施設内に張り巡らした長いポリダクトが必要です。
と、思ってましたが、様々な工夫を凝らしてダクト内散布を行っている方もいるようです。
そんな中、昨年の暮れに行ったダクト内散布の飛散試験をご紹介します。
タケザワ製の暖房機です。吹き出し口が上部の左右に二ヶ所あるだけです。
この地区では省スペース性に優れるということで使っている生産者の方が比較的多いようです。
この形状ではダクトがないのでは!?と思われる方もいるでしょうが、左右に突き出している蛇腹の吹き出し口は立派なダクトと言えるでしょう。
今回はこの形状のダクトにボトキラーを投入して、どの程度均一にバチルス菌が飛散するかを確認しました。
ダクト内に計量したボトキラーを設置します。内部はこんな感じ。
いつもの通り寒天培地を温室内に設置して30分ほど送風運転をし被爆させます。
37℃条件で12時間放置した状態がこれです。
概ね1000コロニー程度が確認でき、ボトキラーが均一に飛散したことがわかりました。
この段階では植物体も生育初期で小さいため、胞子の飛散には好条件であったかと思われます。
今後、キュウリが成長して植物の容積が増したときにどのような飛散状況になるかの確認は必要かと思われます。
栽培する作物によっては、暖房機が上吹き出しでポリダクトがついていないためダクト内投入ができないという声も良く聞かれます。
こういった場合には上吹き出しのダクトの3本程度にポリダクトを装着することで、ダクト内散布を行うことができます。
ボトキラーは毎日全てのダクトに投入してください。
また、今日は興味深いダクトの設置方法を見てきました。
こちらです。
これはマスターヒーターの先に家庭用の換気扇とポリダクトを組み合わせて、熱が満遍なく回るように工夫したものです。
比較的狭い温室であれば、ここにボトキラーを投入すれば均一に飛散しそうな感じです。
ダクト内投入法のアイデアは尽きることがありません。
「うちはこんな方法でやってるよ!」なんて方がいらっしゃったら教えてください!