今回、トマト生産地で大問題となっている黄化葉巻病を媒介するタバココナジラミバイオタイプQの捕殺粘着シートを正式に発売開始いたしました。
以下にプレスリリースの資料をご紹介します。
飛翔害虫が好む”黄色”を使用、粘着力アップで捕獲した害虫は逃がさない
誘引捕殺粘着板「スマイルキャッチTM」を新発売
当社(出光興産:本社:東京都千代田区、社長:天坊明彦)は、農業生産現場で問題となっている飛翔害虫(コナジラミ類、アザミウマ類、アブラムシ類など)を省力的、効率的に誘引捕殺できる粘着板「スマイルキャッチTM」を8月20日から発売します。
「スマイルキャッチTM」は、飛翔害虫と天敵昆虫とでは、同じ黄色でも色調によって誘引されやすさが異なることに着目し、飛翔害虫のみを強く誘引する”黄色”を使用した捕殺粘着板です。新たに開発した粘着糊は、粘着力が強く、劣化しにくいため、一度付着した害虫は逃がしません。特にトマトのウィルス病を媒介するコナジラミ類に対する効果が向上しました。取り付けは、捕殺粘着板のカット部分をワイヤーに直接引っ掛けるだけで簡単に取り付けられます。
当社(出光興産)は、微生物防除剤ボトキラー水和剤をはじめ、環境にやさしい商品の開発、提供を通じて、環境保全型農業や総合的病害虫管理(以下、IPM)の実現を推進しています。このIPMには微生物防除剤を利用するほか、害虫ネットや粘着板をはじめとする「物理的防除技術」はあります。
「スマイルキャッチTM」は物理的防除技術の一つです。
1.「スマイルキャッチTM」の製品特長
(1)飛翔害虫を強く誘引する「黄色」を採用
同じ黄色でもコナジラミ類などの飛翔害虫が強く誘引される色調と、寄生蜂・タイリクヒメハナカメムシなどの天敵昆虫が誘引されやすい色調が異なっていることに着目し、飛翔害虫だけが強く誘引される「黄色」を使用しました。
(2)新開発の粘着糊を採用。強力で効果が長持ちします。
当社従来品に比べ粘着力が強く、粘着効果が劣化しにくい新開発の粘着糊(湿式粘着板)を採用しました。
(3)作業楽ラク!「スマイルカットTM」を採用
針金を利用して吊り下げる従来の粘着板は、取り付けに時間と手間がかかりました。当製品は、設置作業のスピードアップが可能となるスマイルカットを施しカット部分をワイヤーに引っ掛けるだけで簡単に取り付けられます。
(4)グリッド入りなので発生予察にも使用できます
表面5cm四方のグリッドにより、付着した害虫の数を把握することで、害虫の発生状況を確認でき、効果的な害虫防除、発生予察に役立ちます。
2.荷姿等
荷姿:12枚入り/袋 X20袋(小箱) X5ケース=100袋/ケース
サイズ:タテ258mmXヨコ100mm
厚さ:0.3mm
材質:ポリエチレン
価格:希望小売価格(税込)720円/袋
スマイルキャッチ
以上、引用終わり
ということで、問題になっているコナジラミの誘引効果はいかほどか?と、本年3月に静岡県伊豆の国市で効果の比較試験を行いました。
適当なトマトの圃場がなかったので、イチゴ(章姫)での試験です。(章姫は比較的コナジラミがつきやすく、対応に苦慮する場合があります)
300uのハウス内にスマイルキャッチと対象粘着シートを各10枚ずつ、イチゴの株の頭上近くに設置し、一週間後に捕殺された害虫数を調べました。
以下が調査結果です。
コナジラミに関してはスマイルキャッチの捕殺総数が502頭、対象シートが125頭で、この試験におけるスマイルキャッチの優位性は明らかでした。
スリップス類ではスマイルキャッチ57頭に対して対象シートが106頭で、春先のスリップス対策が問題になるイチゴの栽培には若干不向きかな?という疑問が残りました。
ところでスマイルキャッチのパンフレットを見ると、「大量誘殺を目的とする場合は、10a当たり300〜1200枚(坪1枚〜4枚程度)のスマイルキャッチを害虫の発生状況に応じて設置してください。」とされています。
過去にホリバーなどで大量誘殺を目的とするときは10a当たり100枚程度とされていましたが、カゴメなどの大型ハウスでトマトを栽培している現場では、粘着シート1000枚/10aというのが一般的なようです。ハウス内に飛翔するコナジラミは全部捕まえてしまおうという感じですね。
スマイルキャッチはSavegreen Web Shopにて販売しています。